サードパーティCookieはどうなったのか|2026年8月時点の整理

サードパーティCookieの現状の解説

Chromeでのサードパーティ Cookie(サードパーティクッキー)の廃止は、実施されていません。 Googleは2025年4月22日に、現行の方式を維持すると発表しました。

さらに2025年10月17日、Privacy Sandbox の10の技術について提供終了が発表されています。 Topics と Protected Audience も含まれます。

この記事の要点
  • Chromeは現行方式を維持。新たな選択プロンプトも導入しないと2025年4月に発表
  • Privacy Sandbox の10の技術は2025年10月17日に提供終了が発表された。 Topics も Protected Audience も含まれる
  • 理由としてGoogleが挙げたのは「採用率の低さ」と「期待される価値についてのエコシステムからのフィードバック」
  • SafariとFirefoxはそれぞれ独自の制限を続けている。 「Cookieはこのまま使える」わけではない
  • CHIPS・Storage Access API・FedCM は提供終了の一覧に含まれていない
目次

Chromeで何が決まったのか

2025年4月22日、Googleは現行方式の維持を発表しました。

> we’ve made the decision to maintain our current approach to offering users third-party cookie choice in Chrome, and will not be rolling out a new standalone prompt for third-party cookies.

出典:Update on plans for Privacy Sandbox(Google、2025年4月22日/2026年8月15日確認)

発表されたのは「現行の方式を維持すること」と「新しい単独プロンプトを出さないこと」の2つです。 ユーザーは引き続き、Chromeのプライバシーとセキュリティの設定から自分で管理する形になります。

「廃止を撤回する」という表現は、この発表の要約です。 原文は上記のとおり、現行方式の維持と単独プロンプトの不採用を述べたものです。

Privacy Sandbox はどうなったのか

2025年10月17日、Googleは10の技術の提供終了を発表しました。

> After evaluating ecosystem feedback about their expected value and in light of their low levels of adoption, we’ve decided to retire the following Privacy Sandbox technologies

出典:Update on plans for Privacy Sandbox technologies(Google、2025年10月17日/2026年8月15日確認)

提供終了の対象

技術何をするものだったか
Topicsブラウザが関心カテゴリを推定し、広告に渡す
Protected Audience端末内でオークションを行うリターゲティングの代替
Attribution ReportingCookieを使わないコンバージョン計測
Private Aggregation集計値だけを取り出す仕組み
Protected App Signalsアプリ向けの関心シグナル
Related Website Sets同一事業者の関連サイト間でのストレージ利用
SelectURLShared Storage を使った出し分け
SDK RuntimeAndroid向けのSDK隔離実行
IP ProtectionIPアドレスの秘匿
On-Device Personalization端末内でのパーソナライズ

Topics も Protected Audience も、この一覧に入っています。 「サードパーティ Cookie の代替として Topics API がある」という説明は、現時点では成り立ちません。

廃止の進み方

Googleは廃止の時期についてこう書いています。

> We will follow Chrome and Android processes for phasing out these technologies and share updates on our developer site

発表ブログにChromeのバージョンは明記されていません。 Chrome 144 のリリースノートには Private Aggregation・Shared Storage・Protected Audience の廃止が記載されていますが、削除が完了するバージョンは別途確認が必要です。

サードパーティCookieとPrivacy Sandboxをめぐる経緯(Googleの発表)
サードパーティCookieとPrivacy Sandboxをめぐる経緯(Googleの発表)2025年4月22日にGoogleがChromeでの現行方式の維持を発表。2025年10月17日にPrivacy Sandboxの10の技術の提供終了を発表。Chrome 144のリリースノートに一部APIの廃止が記載されている。2025-04-22Chromeの現行方式を維持すると発表新たな単独プロンプトも導入しない2025-10-17Privacy Sandbox 10技術の提供終了を発表Topics・Protected Audience・Attribution Reporting などを含むChrome 144リリースノートに一部APIの廃止が記載Private Aggregation/Shared Storage/Protected Audience

出典:Update on plans for Privacy Sandbox(2025年4月22日)、Update on plans for Privacy Sandbox technologies(2025年10月17日)、Chrome 144 release notes/いずれも2026年8月16日確認

この図の数値を表で見る
経緯
時点内容補足
2025年4月22日Chromeでの現行方式の維持を発表新たな単独プロンプトも導入しない
2025年10月17日Privacy Sandbox 10技術の提供終了を発表採用率の低さなどを理由として挙げている
Chrome 144リリースノートに一部APIの廃止が記載削除が完了するバージョンは別途確認が必要

残っているものもあります。

Privacy Sandbox のステータス表で、CHIPS(パーティション化された Cookie)、Storage Access APIFedCMBounce Tracking Mitigations は提供終了の一覧に含まれていません。

Privacy Sandbox という枠組みで進められていたものが、すべて無くなったわけではありません。

では広告の計測はどうなるのか

「Chromeが維持を決めた」ことと「Cookieでこれまでどおり計測できる」ことは別です。

ブラウザサードパーティ Cookie の扱い
Chromeユーザーが設定で「許可」「ブロック」を選択する。シークレットモードではデフォルトでブロック
SafariクロスサイトのCookieを既定でブロック(2020年3月の Safari 13.1 で全面適用)
Firefoxブロックではなく分離。 Cookieをサイトごとの保管庫に閉じ込める(Total Cookie Protection)

SafariとFirefoxは、やっていることが違います。

  • Safari:「Cookies for cross-site resources are now blocked by default across the board.」(WebKit Blog、2020年3月24日)
  • Firefox:「Any time a website, or third-party content embedded in a website, deposits a cookie in your browser, that cookie is confined to the cookie jar assigned to only that website.」(Mozilla Blog、2022年6月14日)

Firefoxの方式では、Cookie自体は保存されますが、サイトをまたいで読めません。 結果としてサイトをまたいだ追跡はできなくなります。

Chromeの設定についてはChrome で Cookie を削除、許可、管理する(2026年8月15日確認)をご覧ください。いずれも仕様は更新されるため、実装の判断前に各ブラウザの公表資料をご確認ください。

加えて、ブラウザの仕様とは別に、法令にもとづく要件があります。 何をどこまで取得・利用してよいかは、適用される法令と自社の運用によって決まります。ブラウザの方針が変わっても、この部分が自動的に変わるわけではありません。

つまり「元に戻った」のではなく、「Chromeでの一斉廃止という予定が無くなった」だけです。

実務としての受け止め方
  • Chromeでの一斉廃止を期限として組んでいた計画は、その期限が無くなった
  • ただしSafari・Firefoxの制限は今回の発表とは無関係に続いている
  • Privacy Sandbox のAPIを前提に組んだ実装があれば、提供終了の影響を確認する必要がある
  • 計測の設計を「Cookieが取れる前提」に戻す判断は、ブラウザ構成比を見てから

確認しておきたいこと

STEP
自社の計測がどのブラウザでどれだけ欠けているかを見る

まず現状を数字で把握します。Chromeの方針が変わっても、SafariのブロックとFirefoxの分離は続いています。 自社のブラウザ構成比を確認してください。

STEP
Privacy Sandbox のAPIを使っている実装がないか確認する

計測ツールや広告タグが Topics や Attribution Reporting を前提にしていないか。使っていれば提供終了の影響を受けます。

STEP
自社ドメインで取れているデータを整理する

自社サイト内での行動、会員情報、購買履歴。サードパーティ Cookie に依存しない部分がどこまであるかを確認します。

STEP
同意の取得と管理を確認する

ブラウザの仕様が変わっても、法令にもとづく要件が自動的に変わるわけではありません。 適用される法令と自社の運用については、専門家にご確認ください。

この記事は2026年8月15日時点の情報です。

この領域は方針が変わってきた経緯があります。実装の判断をする前に、Googleの発表を直接ご確認ください。 本記事の出典は各見出しに記載しています。

よくある質問

サードパーティ Cookie は結局なくなるのですか

Chromeについては、2025年4月22日にGoogleが現行方式の維持を発表しています。 一斉に廃止するという予定は無くなりました。ただしSafariはクロスサイトの Cookie を既定でブロックし、FirefoxはCookieをサイトごとに分離しています。 「すべてのブラウザで同じように使える」状態ではありません。

Topics API に移行すべきですか

提供終了が発表されています。 2025年10月17日にGoogleが Topics を含む10の技術の提供終了を発表しました。新たに Topics 前提の実装を進める段階ではありません。

なぜ10の技術は提供終了になったのですか

Googleは「採用率の低さ」と「期待される価値についてのエコシステムからのフィードバック」を理由として挙げています。原文は本文に引用しています。なお CHIPS・Storage Access API・FedCM などは提供終了の一覧に含まれていません。

リターゲティング広告は今後も使えますか

Chromeについては、これまでの仕組みが引き続き動いています。ただしSafariはクロスサイトの Cookie を既定でブロックし、FirefoxはCookieをサイトごとに分離しています。 ブラウザ構成比を見て判断する話になります。

何もしなくてよいということですか

いいえ。Chromeでの一斉廃止という予定が無くなっただけです。ブラウザごとの制限、法令にもとづく要件、Privacy Sandbox 前提の実装の見直しは、それぞれ残っています。

ご相談

計測の現状把握からお受けしています。

どの媒体を使っていて、どのツールで計測しているかを共有いただけると、影響が出ている箇所をお伝えできます。

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