アフィリエイト広告とは、成果が出た分だけ報酬を支払う広告のことです。 ブログや比較サイトなどに広告を掲載してもらい、そこ経由で購入や申込みがあったときに報酬が発生します。
成果に連動する費用の出方が特徴です。 一方で、表示を作るのは広告主ではなくアフィリエイターです。 そのため、表示内容をどう確認するかが論点になります。
- 掲載されただけでは成果報酬は発生しない。 何を成果とするかは契約による
- アフィリエイターの表示がすべて広告主の表示になるわけではない。 実態から判断される
- 広告主・アフィリエイター・ASPの3者で回る仕組み
- 不当表示を防ぐ措置を講じることは景品表示法第22条第1項の要求。 具体的なやり方は指針の別添が例を示している
- 指針の別添は事前確認を例に挙げ、困難な場合の例も3つ挙げている(いずれも参考)
- 「広告」表記については、位置・大きさ・色についても別添に記載がある
- 2025年の成果報酬型広告費は前年比96.1%で前年を下回った
仕組み
登場するのは3者です。
| 役割 | 何をするか |
|---|---|
| 広告主 | 商品・サービスを供給する事業者。成果に応じて報酬を払う |
| アフィリエイター | アフィリエイトサイトを運営し、広告を掲載する |
| ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー) | アフィリエイターを募ってネットワークを構築し、広告主とのマッチングをする |
公式の定義は次のとおりです。
> 比較サイト、ポイントサイト、ブログその他のウェブサイトの運営者等が当該サイト等に当該運営者等以外の者が供給する商品又は役務のバナー広告、商品画像リンク及びテキストリンク等を掲載し、当該サイト等を閲覧した者がバナー広告、商品画像リンク及びテキストリンク等をクリックしたり、バナー広告、商品画像リンク及びテキストリンク等を通じて広告主のサイトにアクセスして広告主の商品又は役務を購入したり、購入の申込みを行ったりした場合等、あらかじめ定められた条件に従って、アフィリエイターに対して、広告主から成功報酬が支払われるものであるとされている(注5)。
> ASP(アフィリエイトサービスプロバイダー)とは、法人又は個人のアフィリエイターを幅広く募り、アフィリエイトネットワークを構築し、広告主とのマッチングをさせる機能を持つアフィリエイトプログラムを提供する事業者であり、広告主がASPを通じてアフィリエイター等と契約する場合、広告主はASPに対してアフィリエイターの管理を委託することがある。
出典:事業者が講ずべき景品類の提供及び表示の管理上の措置についての指針(平成26年11月14日内閣府告示第276号、最終改正 令和6年4月18日内閣府告示第92号/2026年8月16日確認)
広告主がASPにアフィリエイターの管理を委託することはあります。 ただし指針は、作成を他の事業者に委ねる場合でも、表示等管理担当者が「当該他の事業者が作成する表示等に関して指示・確認権限を有していること」を求めています。次の項で見ます。
費用の出方
成果報酬は、あらかじめ定めた条件を満たしたときに発生します。 上の定義にあるとおり、条件はクリック、購入、購入の申込みなど複数あり得ます。何を成果と数えるかは契約で決まります。
購入や申込みを条件とする場合、掲載されただけでは成果報酬は発生しません。
なお、ASPの利用に伴う費用が別にかかる場合があります。 初期費用・月額費用の有無は契約条件をご確認ください。
リスティング広告やディスプレイ広告との違いは、課金だけではありません。
アフィリエイト広告に特有なのは、表示そのものを他者が作るという点です。
| アフィリエイト広告 | リスティング広告・ディスプレイ広告 | |
|---|---|---|
| 誰が表示を作るか | アフィリエイター | 広告主(または委託先の代理店等) |
| 掲載する面を決めるのは | アフィリエイター | 媒体の配信設定 |
| 主な課金の考え方 | 成果報酬 | クリック・表示・成果など、方式を選ぶ |
1行目が、管理の話につながります。 自社で作った広告なら内容を把握できますが、他者が書いた表示は、見にいかなければ分かりません。
2025年の市場は前年を下回っています。
電通の集計では、成果報酬型広告は前年比96.1%の699億円でした。インターネット広告媒体費全体(3兆3,093億円、前年比111.8%)が伸びている中での前年割れです。
出典:「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(電通、2026年3月5日発表/2026年8月16日確認)
この図の数値を表で見る
| 区分 | 前年比 | 金額 |
|---|---|---|
| インターネット広告媒体費 全体 | 111.8% | 3兆3,093億円 |
| うち運用型広告 | 112.5% | 2兆9,352億円 |
| 成果報酬型広告 | 96.1% | 699億円 |
広告主に求められる管理
構造を先に整理します。3層になっています。
| 層 | 内容 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 景品表示法 第22条第1項 | 不当表示等を未然に防止するために必要な措置を講じること | 法律上の要求 |
| 管理措置指針の本文 | その措置を適切かつ有効に実施するために必要な事項 | 内閣府告示 |
| 指針の別添 | 具体的事例 | 参考 |
> 本指針は、不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号。以下「景品表示法」という。)第22条第1項に規定する事業者が景品表示法で規制される不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止するために講ずべき措置に関して、同条第2項の規定に基づき事業者が適切かつ有効な実施を図るために必要な事項について定めるものである。
本文が求めているのは、次のとおり「必要かつ適切な範囲」での措置です。
> 表示等の管理上の措置として、事業者は、その規模(注2)や業態、取り扱う商品又は役務の内容、取引の態様等に応じ、必要かつ適切な範囲で、次に示す事項に沿うような具体的な措置を講ずる必要がある。
「措置を講じること」自体は法律上の要求です。 一方、以下で「〜の例」として紹介する個々のやり方は別添の具体的事例、つまり参考です。何を採るかは各事業者が判断します。
この指針は2022年6月29日の改正でアフィリエイト広告についての記載が加わり、2024年4月18日に再度改正されています。 指針の本文には次の記載があります。
> アフィリエイトプログラム(注4)を利用した広告を行うような業態では、当該広告を利用する事業者がアフィリエイター等の作成する表示等を確認することが必要となる場合があることに留意する必要がある。
「必要となる場合がある」という書き方です。 常に全件の確認が必要という定めではありません。
そもそも広告主の表示にならない場合がある
指針は注記で、次の2つを挙げています。
> アフィリエイターが自らのアフィリエイトサイトに単にアフィリエイトプログラムを利用した広告を行う事業者のウェブサイトのURLを添付するだけなど、当該事業者の商品又は役務の内容や取引条件についての詳細な表示を行わないようなアフィリエイトプログラムを利用した広告については、通常、不当表示等が発生することはないと考えられる。
> また、アフィリエイターの表示であっても、広告主とアフィリエイターとの間で当該表示に係る情報のやり取りが一切行われていないなど、アフィリエイトプログラムを利用した広告主による広告とは認められない実態にあるものについては、通常、広告主が表示内容の決定に関与したとされることはないと考えられる。
アフィリエイターが書いたものが、すべて広告主の表示になるわけではありません。 実態から判断されます。
以下は別添(参考)の具体的事例です。
契約についての例
> 管理上の措置の実効性を確保するために、自らの表示等の作成に関係するASPやアフィリエイター等との間で、表示等の作成を委ねる契約書において、どの主体が何を行うかについて、役割分担及び責任の所在をあらかじめ明記するなどの対応を行うことが考えられる。
違反があった場合の措置についても、例が挙げられています。
> アフィリエイター等が上記の法令遵守の方針に違反した場合における、債務不履行を理由とする成果報酬の支払の停止や契約解除等の具体的な措置内容について、自ら又はASP等を通じて、あらかじめアフィリエイター等との間で明確にしておくこと。
表示内容の確認についての例
まず挙げられているのは事前確認です。
> 不当表示等を未然に防止する観点から、アフィリエイター等が作成する表示内容を事前に確認すること。
そのうえで、全件の事前確認が難しい場合の例が挙げられています。
> 自社の人員体制の制約等の理由により、全ての当該表示内容を事前に確認することが困難である場合には、例えば、表示後可能な限り早い段階で全ての当該表示内容を確認することや、成果報酬の支払額又は支払頻度が高いアフィリエイター等の表示内容を重点的に確認することや、ASP等の他の事業者に表示内容の確認を委託すること。
| 代替の方法 | 内容 |
|---|---|
| 事後の全件確認 | 表示後、可能な限り早い段階で全件を確認する |
| 重点確認 | 成果報酬の支払額または支払頻度が高いアフィリエイターを重点的に確認する |
| 委託 | ASP等の他の事業者に確認を委託する |
いずれも「例えば」として挙げられているものです。 どれを採るか、あるいは別の方法にするかは、次項のとおり各事業者が個別に判断することになります。
権限は指針本文で求められている
ここは別添ではなく、指針の本文です。
> 表示等管理担当者を定めるに際しては、以下の事項を満たすこと。(1)表示等管理担当者が自社の表示等に関して監視・監督権限を有していること。(2)表示等の作成を他の事業者に委ねる場合は、表示等管理担当者が当該他の事業者が作成する表示等に関して指示・確認権限を有していること。(3)表示等管理担当者が複数存在する場合、それぞれの権限又は所掌が明確であること。
表示等を管理する担当者または担当部門をあらかじめ定めること自体が、指針本文の要求です。 作成を他社に委ねる場合は、その表示に対する指示・確認権限を持つ担当者を置くことになります。
保管についての例
> 一旦、削除されると、回復させることが困難であるような表示等については、事業者が表示等の保存も含め、根拠となる情報を事後的に確認できるようにするための資料の保管等を行うこと。
掲載面は広告主の管理下にありません。 後から「どう書かれていたか」を確認できるようにしておく、という趣旨です。
問題が起きたときの例
> 不当表示等が明らかになった場合、事業者は、自ら、ASP又はアフィリエイター等を通じて、迅速に不当表示等を削除・修正できる体制を構築すること。
指針の別添は「参考」です。
> 別添に記載された具体的事例は、事業者へのヒアリング等に基づき参考として記載するものであり、各事業者が講じる具体的な措置は、その規模や業態、取り扱う商品又は役務の内容、取引の態様等に応じ、各事業者において個別具体的に判断されるべきものである。
上に挙げた項目は、そのまま一律の義務ではありません。 自社の規模と取引の形に応じて何を採るかを決めることになります。
「広告」表記について
指針は、広告主の表示であることの明示についても記載しています。
> アフィリエイトサイトにおける表示について、アフィリエイトプログラムを利用する事業者以外の第三者の体験談や感想であるのか、当該事業者が対価を支払って作成を委ねた表示であるのかを、消費者が判断できない場合がある。
そのうえで、望ましい表示の要件が4つの観点で挙げられています。
| 観点 | 指針の記載 |
|---|---|
| 文言 | 「『広告』という文言のように、…認識しやすい文言を使用すること」。さらに「当該事業者の具体的な名称等を記載する」 |
| 位置 | 「視野に最初に入る画面内に表示すること」「他の表示の情報に埋もれないようにすること」「商品又は役務についての表示と当該表示が近接していること」 |
| 大きさ | 「使用されている文字の平均的な大きさと比べて、少なくとも同程度の大きさにするなど」 |
| 色 | 「背景等に使用されている色と比べて、区別しにくい色ではなく、明確に区別できる色にするなど」 |
指針は「『広告』という文言が下部に位置している」例を、望ましくない表示の例として挙げています。
スマートフォンについても記載があります。
> 特に、アフィリエイトサイトが、スマートフォンの利用におけるウェブサイト、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)等の表示である場合には、画面全体の表示領域の制約等により、広告と広告以外の情報が明確に区別されにくい場合もあることから、一般消費者の理解を妨げないようになっていないかについて留意すること。
ステマ規制は、景品表示法第5条第3号にもとづく別の告示です。 そちらではまず、その表示が「事業者が表示内容の決定に関与した」ものかどうかが判断され、そのうえで事業者の表示であることが明瞭かどうかが問われます。あわせてご確認ください。
導入前に整理しておきたいこと
指針が挙げている例を踏まえると、先に決めておくと動きやすいのは次の点です。 どこまで行うかは自社の規模と取引の形によります。
何をもって1件と数えるか。購入か、申込みか、資料請求か。キャンセル・返品時の扱いも含めて決めておきます。
指針は、ASP・アフィリエイターとの契約書に「役割分担及び責任の所在をあらかじめ明記するなどの対応を行うことが考えられる」としています。違反時の措置(報酬停止・返還・提携解除)についても、あらかじめ明確にしておくことが挙げられています。
事前に全件見るのか、事後に全件見るのか、報酬額・頻度の高い先を重点的に見るのか、ASPに委託するのか。自社の人員体制に合う形を選びます。
文言・位置・大きさ・色。指針はスマートフォンでの見え方にも留意するよう述べています。
指針は「一旦、削除されると、回復させることが困難であるような表示等」について、表示の保存を含めた資料の保管を挙げています。
問題が判明したときに、誰を通じて修正できるのか。指針は「迅速に不当表示等を削除・修正できる体制を構築すること」としています。
この記事は制度の概要をまとめたものです。
個別の表示が景品表示法上の問題になるかどうかは、表示内容全体と、広告主・アフィリエイターの関係性から判断されます。判断に迷う場合は、弁護士など専門家にご確認ください。 当社は法律事務所ではありません。
よくある質問
- ASPに任せていれば大丈夫ですか
-
管理を委託することはできますが、景品表示法第22条第1項が求める「必要な措置を講じること」がなくなるわけではありません。 指針の本文は、表示等の作成を他の事業者に委ねる場合、表示等管理担当者が「当該他の事業者が作成する表示等に関して指示・確認権限を有していること」を求めています。委託する範囲と責任の所在を契約でどう整理するかは、あわせて検討する項目になります。
- アフィリエイターの記事を全部チェックするのは無理です
-
指針は、全件の事前確認が困難な場合の例を3つ挙げています。 事後の全件確認、報酬額・頻度の高いアフィリエイターの重点確認、ASP等への委託です。これらは「例えば」として示されたもので、この3つから選ばなければならないという制度ではありません。 自社の規模と体制に合う形を検討することになります。
- 成果報酬なので損はしないのでは
-
成果報酬そのものは、成果が出なければ発生しません。 ただしASPとの契約に伴う費用が別にかかる場合があるため、契約条件をご確認ください。また景品表示法の観点では、アフィリエイターの表示が広告主の表示に当たるかどうかは表示内容の決定に関与したと認められるかという実態から判断されるため、管理の手間と、問題が起きたときの対応にかかる時間は見込んでおく必要があります。
- 「PR」と書いてあれば問題ありませんか
-
文言だけでは決まりません。 指針は位置・大きさ・色まで挙げており、「広告」の文言が下部にある例を望ましくない表示の例としています。またステマ規制の運用基準も、文言を使っていても表示内容全体から明瞭と認められない場合があると明記しています。詳しくはステマ規制の記事をご覧ください。
- 市場は伸びているのですか
-
2025年は前年を下回りました。 電通の集計で成果報酬型広告は前年比96.1%の699億円です。インターネット広告媒体費全体が前年比111.8%で伸びる中での前年割れでした。
- どんな商材に向いていますか
-
一概には言えません。成果が明確に定義でき、1件あたりの報酬を払っても合う粗利がある商材が前提になります。商材と目標をお聞かせいただければ、ご相談に応じます。
ご相談
アフィリエイト広告の導入と、表記・確認の運用体制についてご相談を承っています。
商材、想定している成果の定義、現在のASPとの契約内容を共有いただけると、確認すべき箇所をお伝えできます。
お問い合わせフォームからご連絡ください。事業の内容はアフィリエイト広告をご覧ください。

