運用型広告とは、配信しながら入札・ターゲティング・クリエイティブを調整し続ける広告のことです。 掲載枠と期間を先に買い切る予約型広告に対して、成果を見ながら中身を変えていく点が違います。
いまのインターネット広告は、金額のほとんどがこの運用型です。
- 運用型広告はインターネット広告媒体費の88.7%(2025年・電通)。金額では2兆9,352億円に対し、予約型は3,042億円
- 予約型との本質的な違いは「買った後に変えられるかどうか」
- 費用は「単価 × 回数」で決まる。クリック課金・表示課金・成果課金で、何に対して払うかが変わる
- ディスプレイ広告の表示回数には「見えたかどうか」の基準がある。広告の種類とサイズで条件が違う
- 成果を約束できるものではない。 単価はオークションで決まり、事前に確定しない
予約型と運用型は何が違うのか
買い方が違います。
| 予約型広告 | 運用型広告 | |
|---|---|---|
| 買うもの | 掲載枠と期間 | 配信の機会(オークションで都度) |
| 配信中の変更 | 原則できない | できる。むしろ変えることが前提 |
| 費用の決まり方 | 期間と枠で固定 | 単価 × 発生回数で変動 |
| 向いている場面 | 出す場所と時期を確実に押さえたい | 成果を見ながら配分を変えたい |
運用型は「枠」ではなく「機会」を買います。 配信のたびにオークションが行われる方式が代表的で、その場合は配信量も費用も事前には確定しません。
具体的な仕組みは媒体ごとに異なります。 詳細は各媒体の仕様をご確認ください。
「運用型=安い」ではありません。
単価はオークションで決まるため、あらかじめ確定しません。 安いかどうかは商材と競合の状況によります。最低出稿金額の有無は媒体ごとに異なるので、各媒体の規定をご確認ください。
どれくらい運用型に偏っているのか
電通の集計では、インターネット広告媒体費の9割近くが運用型です。
| 区分 | 2025年 | 前年比 |
|---|---|---|
| インターネット広告媒体費 | 3兆3,093億円 | 111.8% |
| うち運用型広告 | 2兆9,352億円(構成比 88.7%) | 112.5% |
| うち予約型広告 | 3,042億円 | 109.1% |
出典:「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(電通、2026年3月5日発表/2026年8月16日確認)
この図の数値を表で見る
| 区分 | 金額(億円) | 前年比 | 媒体費に占める構成比 |
|---|---|---|---|
| インターネット広告媒体費 全体 | 33,093 | 111.8% | 100% |
| うち運用型広告 | 29,352 | 112.5% | 88.7% |
| うち予約型広告 | 3,042 | 109.1% | (記載なし) |
出典:「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」(電通、2026年3月5日発表/2026年8月16日確認)。※予約型広告3,042億円を含む残余を「予約型・その他」としている。
この図の数値を表で見る
| 区分 | 構成比 |
|---|---|
| 運用型広告 | 88.7% |
| 予約型広告・その他 | 11.3% |
この88.7%は「インターネット広告媒体費」に対する比率です。 インターネット広告費全体(4兆459億円)には制作費などが含まれるため、分母が変わると比率も変わります。
なお2025年は、インターネット広告費が総広告費の50.2%となり、初めて過半数になりました(総広告費8兆623億円)。出典は「2025年 日本の広告費」(同日発表)です。
インターネット広告の主な種類
| 種類 | 出る場所 | 主に効く場面 |
|---|---|---|
| 検索連動型(リスティング) | 検索結果 | すでに探している人に出す |
| ディスプレイ広告 | サイト・アプリの広告枠 | 知らない人に届ける/再訪を促す |
| SNS広告 | SNSのフィード・ストーリーズ等 | 属性や関心で絞って届ける |
| 動画広告 | 動画サービスの再生前後・途中 | 伝える情報量が多いとき |
| アフィリエイト広告 | ブログ・比較サイト等 | 成果が出た分だけ払いたいとき |
検索連動型は検索語句を起点に出すため、すでに探している人に届きやすい形式です。 ディスプレイやSNSは検索を起点にしないため、まだ探していない人にも届きます。実際に誰に届くかは、媒体の設定によって変わります。
なおアフィリエイト広告は、成果に応じて報酬を支払う仕組み(アフィリエイトプログラム)を指す言葉で、出る場所で分けた他の項目とは分類の軸が違います。掲載面はブログや比較サイトなど多岐にわたります。
費用はどう決まるのか
「単価 × 発生回数」です。 何を1回と数えるかが課金方式です。
| 課金方式 | 何に対して払うか | 費用が発生しないのは |
|---|---|---|
| CPC(クリック課金) | 1クリック | 表示されてもクリックされなかったとき |
| CPM(インプレッション課金) | 表示1,000回 | そもそも配信されなかったとき |
| vCPM(ビューアブルCPM) | 見えた表示1,000回 | 配信されても画面に入らなかったとき |
| CPV(視聴課金) | 動画の視聴 | 規定の秒数・操作に達しなかったとき |
| CPA / 成果報酬 | 申込み・購入などの成果 | 成果が出なかったとき |
課金方式の違いは、どこまで進んだら費用が発生するかの違いです。 成果報酬型では成果が出るまで発生せず、CPMは表示された時点で発生します。vCPMはその中間で、ビューアブルと判定された表示だけを数えます。
どの方式が有利かは、単価と発生率の両方で決まります。 方式だけでは判断できません。
「見えた表示」とは何か
ディスプレイ広告は、画面の外に配信されて一度も見られないことがあります。そこで「ビューアブルインプレッション」という数え方があります。
Googleの基準は次のとおりです。
- ディスプレイ広告:面積の50%以上が1秒以上表示された場合
- 242,500ピクセル以上の大型広告:面積の30%以上が1秒以上
- 動画広告:面積の50%以上が、再生中に2秒以上
> A display ad is counted as viewable when at least 50% of its area is visible on the screen for at least one second.
出典:Understanding viewability and Active View reporting metrics(Google広告ヘルプ、2026年8月15日確認)
表示回数とビューアブル表示回数は別の数字です。 レポートを見るときは、どちらを見ているかを確認してください。
運用で実際に触るもの
何をもって成果とするかを決め、計測できる状態にしてから配信を始めます。 ここが後回しになると、判断材料がないまま予算を使うことになります。
キーワード、配信面、属性、リターゲティングの範囲。どこに出すかと同時に、どこに出さないか(除外)も設定します。
広告文、画像、動画。配信対象と入札だけを整えても、出すものが用意できていなければ配信は始まりません。
自動入札を使う場合でも、目標値(CPAやROAS)と予算の上限は広告主が決めます。
成果の出ている媒体・キャンペーンへ寄せ、出ていないものを止める。買い切りではないので、この見直しを続けられることが運用型の特徴です。
始める前に決めておきたいこと
1. 成果の定義:購入か、申込みか、問い合わせか。複数ある場合は優先順位も 2. 計測の方法:どのツールで、どこまでを1件と数えるか 3. 許容できる獲得単価:1件いくらまでなら合うのか 4. 判断までの期間:どれだけ回してから見直すか
特に3番目が決まっていないと、成果が出ているのかどうかを誰も判断できません。 商材の粗利と、顧客が繰り返し買うかどうかから逆算して決めます。
成果は約束できません。
単価はオークションで決まり、競合の出稿状況も市況も動きます。特定の獲得単価や件数を事前に保証することはできません。 できるのは、計測できる状態を作り、判断材料を出し、配分を変えることです。
よくある質問
- 予約型広告はもう使わないのですか
-
使う場面はあります。出す場所と時期を確実に押さえたい場合は予約型が向きます。2025年も前年比109.1%で伸びています(3,042億円)。運用型と比べて規模が小さいだけで、なくなっているわけではありません。
- いくらから始められますか
-
媒体によって異なります。 最低出稿金額の有無は各媒体の規定をご確認ください。金額を決めるうえでの目安としては、少額すぎると判断できるだけのデータが貯まりません。 何件の成果が出れば判断できるかから逆算するのが現実的です。
- 自動入札に任せれば運用は不要になりますか
-
入札の計算は自動化できますが、目標値・予算・成果の定義・除外の設定は広告主側が決めるものです。またアセット(広告文・画像・動画)の中身と、計測が正しく動いているかの確認も広告主側に残ります。
- どの媒体から始めるべきですか
-
一概には言えません。すでに検索されている商材なら検索連動型、まだ知られていない商材なら認知を広げる媒体、というのが基本的な考え方です。商材と現状によって変わるので、ご相談ください。
- 複数の媒体を使うと成果が二重に数えられませんか
-
起こり得ます。同じ人が複数の広告に接触した場合、媒体ごとのレポートを単純に足すと成果が重複します。媒体をまたいで計測する仕組みが必要です。詳しくはインターネット広告代理事業をご覧ください。
ご相談
商材と、獲得したい成果、想定している予算をお聞かせいただけると、ご案内が早くなります。
現在運用中の広告がある場合は、その状況も共有いただけると、どこが詰まっているかの見立てが立てやすくなります。
お問い合わせフォームからご連絡ください。事業の内容はインターネット広告代理事業をご覧ください。

