構造化マークアップとは、ページの内容を検索エンジンが理解できる形式で書き添えることです。 「この数字は価格」「この文字列は著者名」といった意味づけを、決められた書式でHTMLに埋め込みます。
正しく入れると、検索結果に通常のタイトルと説明文以外の情報(リッチリザルト)が表示されることがあります。
- 構造化データは書けば必ず表示されるものではない。Googleは「表示を保証しない」と明記している
- 2026年8月15日時点で、Googleがサポートする機能は24種類
- FAQ(よくある質問)のリッチリザルトは2026年5月7日に表示終了した。 公式ドキュメントも削除済み
- Q&A(QAPage)は廃止されていない。 ただしFAQの代わりに使えるものではない
- 形式はJSON-LDが推奨
構造化マークアップと構造化データの違い
実務上はほぼ同じ意味で使われます。 厳密には次の関係です。
| 用語 | 指すもの |
|---|---|
| 構造化データ | ページの内容を意味づけしたデータそのもの |
| 構造化マークアップ | そのデータをHTMLに書き込む作業・記述 |
| schema.org | 意味づけの語彙を定めている規格。Google・Microsoft・Yahoo・Yandexが共同で運営 |
| リッチリザルト | 構造化データをもとに検索結果へ表示される、通常より情報量の多い表示 |
この記事では、区別が必要な箇所以外は「構造化データ」で統一します。
書いても表示されるとは限らない
構造化データを正しく実装しても、リッチリザルトの表示は保証されません。 ここを先に押さえておくと、期待値がずれません。
Googleは、構造化データを追加する手順の説明で次のように書いています。
> リッチリザルト テストでコードを検証し、重大なエラーを修正します。ツールで報告される重大ではない問題の修正も検討してください。構造化データの品質向上に役立ちます(ただし、リッチリザルトの対象となるために必ずしも必要というわけではありません)。
出典:Google 検索セントラル「Q&A(QAPage)の構造化データ」(2026年8月15日確認)
【公式】構造化データは「リッチリザルトの対象になり得る」状態を作るもので、表示を約束するものではありません。 検証ツールでエラーがゼロでも表示されないことがあります。
それでも入れる価値はどこにあるか。
表示されなかった場合でも、Googleはページの内容をより正確に把握できます。Q&Aのドキュメントには「コンテンツをリッチリザルトで表示できるだけでなく、このページに対して Google が生成するスニペットの質が向上するという利点もあります」との記載があります。
ただし「構造化データを入れると順位が上がる」とは書かれていません。 順位への直接の効果を約束する記述は、公式ドキュメントにありません。
2026年8月時点でサポートされている24種類
Googleが公開している一覧です。 ここに無いものは、書いてもリッチリザルトにはなりません。
| 分野 | 機能 |
|---|---|
| コンテンツ全般 | 記事/パンくずリスト/カルーセル/画像メタデータ/動画/読み上げ |
| 商品・EC | 商品/クチコミ抜粋/ソフトウェア アプリ/定期購入とペイウォール コンテンツ |
| 事業者・組織 | ローカル ビジネス/プロフィール ページ/雇用主の総合評価/求人情報 |
| 場所・宿泊 | 民泊 |
| 教育・専門 | コースリスト/データセット/数学の解法/教育向け Q&A |
| コミュニティ | ディスカッション フォーラム/Q&A |
| 娯楽・生活 | イベント/映画/レシピ |
なお「カルーセル」は単独では使えず、レシピ・コースリスト・レストラン・映画のいずれかと組み合わせる必要があるとGoogleは説明しています。
出典:Google 検索がサポートする構造化データ マークアップ(2026年8月15日確認)
この一覧に「FAQ」「よくある質問」は含まれていません。 次章で理由を説明します。
FAQのリッチリザルトは2026年5月7日に終了した
FAQ(よくある質問)のリッチリザルトは、2026年5月7日をもってGoogle検索に表示されなくなりました。 構造化データの解説でいま最も情報が食い違いやすい箇所です。
Googleは検索セントラルの更新履歴で、次のように告知しています。
> よくある質問のリッチリザルト機能をサポート終了しました > > 内容: よくある質問のリッチリザルトのドキュメントにサポートの終了に関するお知らせを追加しました。 > > 理由: この機能は、2026 年 5 月 7 日をもって Google 検索に表示されなくなるためです。
さらに翌月、ドキュメント自体が削除されました。
> よくある質問のリッチリザルト機能に関するドキュメントを削除 > > 内容: よくある質問のリッチリザルト機能に関するドキュメントを削除しました。 > > 理由: 2026 年 5 月の変更履歴のエントリで発表されたとおり、よくある質問のリッチリザルト機能は Google 検索の検索結果に表示されなくなったためです。
出典:Google 検索セントラル ドキュメントの更新履歴(2026年8月15日確認)
確認方法:かつてFAQPageのガイドがあったURL(/search/docs/appearance/structured-data/faqpage)にアクセスすると、現在は更新履歴の該当箇所へ転送されます。ご自身で確かめられます。
いま入っているFAQPageのマークアップはどうするか
急いで削除する必要はありません。
- リッチリザルトとしては表示されません。 ここは確定しています
- 構造化データが残っていること自体がペナルティの対象になるという記述は、公式にありません
- ページ内に「よくある質問」を置くこと自体が禁止されたわけではありません。終了したのは、Google検索でのFAQリッチリザルト表示です
【観察】 サイトを改修する機会に外す、という進め方で足ります。FAQPageのために工数を割いていたなら、その分は他に回せます。
「Q&A(QAPage)に置き換える」は誤り
Q&A(QAPage)は廃止されていません。 公式ドキュメントは現存し、サポート一覧にも掲載されています。
ただし用途が違います。 Q&Aは次のようなページを想定した形式です。
> Q&A ページとは、1 つの質問の後にその質問に対する回答が続く、質問と回答の形式のデータを含むウェブページです。
出典:Q&A(QAPage)の構造化データ(2026年8月15日確認)
同ドキュメントの例では、質問に answerCount(回答数)や upvoteCount(賛成票数)を持たせています。ユーザーが質問を投稿し、複数の人が回答して評価が付くページ——掲示板やQ&Aサイトの形式です。
自社で書いた一問一答をQAPageとしてマークアップするのは、想定された用途から外れます。 FAQの代替として使うものではありません。
書き方:JSON-LDを使う
形式は3つありますが、JSON-LDを選べば問題ありません。
| 形式 | 書く場所 |
|---|---|
| JSON-LD | <script type="application/ld+json"> の中にまとめて書く |
| microdata | HTMLタグの属性として埋め込む |
| RDFa | 同上 |
JSON-LDは本文のHTMLと分離して書けるため、あとから修正しやすく、CMSからも出力しやすい形式です。Googleのドキュメントも例をJSON-LDから示しています。
実際の書き方(パンくずリストの例)
Googleのドキュメントに載っている例です。 <head> の中に <script type="application/ld+json"> を置き、その中にJSONを書きます。
“ <html> <head> <title>Award Winners</title> <script type="application/ld+json"> { "@context": "https://schema.org", "@type": "BreadcrumbList", "itemListElement": [{ "@type": "ListItem", "position": 1, "name": "Books", "item": "https://example.com/books" },{ "@type": "ListItem", "position": 2, "name": "Science Fiction", "item": "https://example.com/books/sciencefiction" },{ "@type": "ListItem", "position": 3, "name": "Award Winners" }] } </script> </head> <body> </body> </html> “
出典:パンくずリスト(BreadcrumbList)のマークアップを追加する方法(2026年8月15日確認)
読み方は次のとおりです。
| 記述 | 意味 |
|---|---|
@context | schema.org の語彙を使うという宣言。どの機能でも同じ |
@type | どの機能かの指定。ここでは BreadcrumbList(パンくずリスト) |
itemListElement | 一覧の中身。パンくずの各階層を並べる |
position | 何番目の階層か |
name | 表示される名前 |
item | そのページのURL |
最後の階層に item が無い点に注目してください。いま見ているページ自身なので、リンク先を書きません。
このように、機能ごとに @type と必須プロパティが決まっています。 実装する機能のガイドを開いて、必須プロパティを確認するのが確実です。
WordPressなどのCMSを使っている場合。
テーマやプラグインが構造化データを自動で出力していることがあります。手で足す前に、同じ構造化データがすでに出ていないか確認してください。 複数の記述がある場合も、それぞれがページの内容を正確に表している必要があります。
確認は、ページのソースを開いて application/ld+json を検索するのが手早い方法です。
上のサポート一覧から選びます。一覧に無いものを書いてもリッチリザルトにはなりません。 自社のページがどれに当たるかを先に決めます。
機能ごとに必須のプロパティが決まっています。Googleの各ガイドに記載があります。必須が欠けていると対象になりません。
構造化データには、機能ごとのガイドラインと、全体に共通する一般ガイドラインがあります。ユーザーに表示されないコンテンツをマークアップしないという点は、その中でも間違えやすい箇所です。
Googleのリッチリザルト テストでエラーを確認します。ただしエラーがゼロでも表示は保証されません。
テストツールの結果と、実際にGoogleがどう認識しているかは別です。Search Consoleに該当する機能のレポートが用意されている場合はそれを見ます。用意されていない機能もあるため、その場合はURL検査ツールで個別のページを確認してください。
ページに表示されない内容をマークアップしないでください。
Googleの構造化データに関する一般的なガイドラインは、ページの読者に表示されないコンテンツをマークアップしないよう求めています。
価格、在庫、評価、著者名——いずれもページ上で確認できる内容にしてください。
AI検索の時代に構造化データは要るのか
専用のスキーマやAI向けの特別な対応は不要である、とGoogleは明言しています。
AI Overviews と AI Mode は、通常の検索と同じクロール・インデックス基盤を使います。AI用の専用スキーマ、AI用のファイル、特別な文章の分割(チャンキング)は、いずれも不要とされています。
【公式】 つまり、通常のSEOとして正しく作ることが、そのままAI検索への対応になります。 構造化データについても、Googleがサポートする機能を正しく実装する以上のことは求められていません。
本記事が扱う範囲について。
Google公式ドキュメントで確認できる内容だけを扱います。 AI検索での引用とクリック数の関係については、Googleが公表しているデータが確認できないため、数値を掲載していません。
構造化データを入れる判断は、「サポートされている機能に該当するか」で決めるのが確実です。
よくある質問
以下は2026年8月15日時点のGoogle公式ドキュメントにもとづく回答です。仕様は変わることがあります。
- 構造化データを入れると検索順位は上がりますか?
-
順位が上がるとは公式に書かれていません。構造化データは、リッチリザルトの対象になり得る状態を作るものです。Googleは検証ツールでの修正について、リッチリザルトの対象となるために必ずしも必要というわけではない、という趣旨の注記を添えており、表示自体も保証されていません。
- FAQのマークアップはもう消したほうがよいですか?
-
急ぐ必要はありません。リッチリザルトとしては2026年5月7日に表示されなくなりましたが、残っていることがペナルティの対象になるという記述は公式にありません。サイトを改修する機会に外せば足ります。
- FAQの代わりにQ&A(QAPage)を使えますか?
-
用途が違うため、置き換えにはなりません。QAPageは「ユーザーが質問を投稿し、複数の回答が付く」形式のページを想定しており、回答数や賛成票数を持たせる設計です。自社で書いた一問一答には当てはまりません。
- JSON-LDとmicrodataはどちらがよいですか?
-
JSON-LDで問題ありません。本文のHTMLと分けて書けるため修正しやすく、Googleのドキュメントも例をJSON-LDで示しています。
- 構造化データに書いた内容がページに無い場合はどうなりますか?
-
ユーザーと検索エンジンに異なる内容を見せる行為は、Googleのスパムに関するポリシーでクローキングとして扱われます。構造化データの内容は、ページ上で確認できるものにしてください。
- AI検索のために特別な構造化データが必要ですか?
-
不要です。AI Overviews と AI Mode は通常の検索と同じクロール・インデックス基盤を使っており、専用スキーマ・AI用ファイル・特別なチャンキングはいずれも不要とGoogleが明記しています。
- リッチリザルト テストでエラーが無いのに表示されません。
-
エラーが無くても表示されない場合があります。構造化データが正しくても、Googleが表示すると決めるとは限りません。まずGoogle側がページをどう認識しているかを、Search Consoleで確認してください。
この記事の根拠
本記事の記載は、すべてGoogleの公式ドキュメントを2026年8月15日に取得して確認したものです。
参照した一次情報と、確認した内容
… サポートされている24種類の一覧。「FAQ」「よくある質問」の記載が無いことを機械的に確認
… 2026年5月「よくある質問のリッチリザルト機能をサポート終了しました」/2026年6月「よくある質問のリッチリザルト機能に関するドキュメントを削除」
… QAPageが現存すること、想定している用途、リッチリザルトが保証されない旨
… クローキングの定義
根拠のレベルについて。 本記事では、Googleが明言している内容を【公式】、当社の判断や一般的な運用の目安を【観察】として区別しています。順位や効果を約束する記述は、根拠がないため書いていません。
構造化データの実装や、いま入っているマークアップの棚卸しについては、SEO対策からご相談いただけます。当社は検索順位をお約束しませんが、公式の仕様に沿っているかの確認はお手伝いできます。

