【完全ガイド】バイオトイレレンタルの料金相場とは?仮設トイレとの違いや選び方を徹底解説

バイオトイレのレンタルを検討中の方必見!仮設トイレとの違い、料金相場、メリット・デメリット、臭い対策から補助金の活用方法まで、バイオトイレ専門家が徹底解説。建設現場、イベント、キャンプ場、災害時など、シーン別のおすすめモデルや選び方のポイントを網羅した完全保存版ガイドです。導入に迷っている方の疑問をすべて解消します。

筆者・監修者
 ビズファンSDGs担当@bizfun

株式会社ビズファンは、2017年9月1日に東京都港区で設立されました。広告代理事業やメディアマネタイズ支援、IoT事業、ビジネスインキュベーション、フィットネス事業など幅広い分野で事業を展開しています。SDGs推進にも積極的に取り組んでおり様々な自治体にSDGsパートナーとして認定されている。さらに、様々な環境保全活動にも賛同し、参加している。

目次

1. はじめに:なぜ今、バイオトイレのレンタルが注目されているのか?

近年、建設現場や野外イベント、キャンプ場、そして災害用の備えとして「バイオトイレ」の導入が急増しています。これまで屋外の仮設トイレといえば、強烈な悪臭が漂い、ハエなどの害虫が発生し、暗くて不衛生な「汲み取り式トイレ」が一般的でした。しかし、労働環境の改善や環境意識の高まり、そして技術の進歩により、水を使わず、汲み取りも不要で、かつ「臭わない」バイオトイレが次世代のスタンダードとして脚光を浴びています。

特に「レンタル」という形態は、初期費用の高さをカバーし、必要な期間だけ最新の設備を導入できるため、非常に合理的な選択肢です。本記事では、バイオトイレの仕組みからレンタルの相場、メリット・デメリット、選び方、補助金の活用方法に至るまで、徹底的に解説いたします。

2. バイオトイレの基本知識と仕組み

バイオトイレをレンタルする前に、まずはその画期的な仕組みを理解しておくことが重要です。仕組みを知ることで、適切な使用方法やメンテナンスの重要性が明確になります。

2.1. バイオトイレとは?

バイオトイレとは、水洗用の水や下水道などのインフラ設備を一切必要とせず、排泄物を微生物の力で水と炭酸ガスに分解・処理する自己完結型のトイレシステムです。水を使わないため「自己処理型トイレ」や「コンポストトイレ」と呼ばれることもありますが、工業的に温度や撹拌を制御するものを主に「バイオトイレ」と呼びます。

2.2. 微生物による分解(好気性発酵)のメカニズム

引用:バイオトイレナビ

バイオトイレの核心は「好気性バクテリア(酸素を好む微生物)」による発酵・分解作用です。排泄物(し尿)が便器から処理槽に落ちると、そこには微生物が棲み着いた「処理材(おがくずやバイオチップなど)」が敷き詰められています。
処理槽内にはヒーターとスクリュー(撹拌羽)が内蔵されており、常に最適な温度(約40度〜60度)と酸素濃度が保たれています。この環境下で微生物が活発に働き、排泄物に含まれる有機物を数時間〜数十時間で「水蒸気」と「二酸化炭素」に分解します。

2.3. おがくず・バイオチップの役割

引用:バイオトイレナビ

処理槽内に入れられるおがくず、ピートモス、杉チップなどのバイオチップは、単なる「消臭材」ではありません。以下の3つの重要な役割を担っています。

  1. 微生物の住処(ベッド):多孔質(小さな穴が無数にある構造)であるため、バクテリアが定着しやすい環境を作ります。
  2. 水分の調整:尿などの多量な水分を一時的に吸収し、ヒーターの熱で徐々に蒸発させるためのスポンジの役割を果たします。
  3. 空気を抱き込む:スクリューで撹拌された際、チップとチップの間に空間ができ、好気性バクテリアに不可欠な酸素を供給します。

2.4. 処理能力と水分蒸発の重要性

バイオトイレの処理能力は、「1日に何回使用できるか」で決まります。これは大便の分解能力というよりも、「尿(水分)をどれだけ蒸発させられるか」に依存します。人間の排泄物の約9割は水分です。ヒーターの能力や処理槽の表面積を超える過剰な水分(許容回数以上の使用)が投入されると、水分が蒸発しきれず処理槽内が泥沼化し、分解機能が停止してしまうため、使用回数の制限を守ることが極めて重要です。

3. バイオトイレを「レンタル」するメリットとデメリット

バイオトイレは購入すると数百万円単位の初期投資が必要になるケースが多い高額な設備です。そのため、レンタルで導入する企業や自治体が大半を占めます。ここではレンタルのメリットとデメリットを詳しく解説します。

3.1. レンタル導入のメリット

① 高額な初期費用(導入コスト)を大幅に削減できる
購入すれば本体だけで100万〜300万円以上かかるバイオトイレも、レンタルであれば月額数万円〜十数万円程度で導入可能です。キャッシュフローを圧迫せず、経費として計上できるため、企業の財務上の負担を軽減できます。

② 必要な期間だけ無駄なく利用できる
工事現場やイベントなど、「数日間」「数ヶ月間」「1年間」といった期間限定のプロジェクトに最適です。不要になったら返却するだけなので、保管場所の確保や、長期間使用しない間の機材劣化リスクを負う必要がありません。

③ 常に最新のモデルや整備された機材を利用できる
レンタル業者は常に機材のメンテナンスを行っており、不具合が起きにくい状態のものを貸し出します。また、数年ごとに新型に入れ替わるため、常に処理能力が高く、省エネ性能に優れた最新のバイオトイレを使用できるメリットがあります。

④ メンテナンスやトラブル時のサポートが充実している
バイオトイレは精密な機械でもあります。万が一ヒーターが故障した、スクリューが回らないといったトラブルが発生しても、レンタルであれば業者が迅速に修理・交換対応を行ってくれます。

3.2. レンタル導入のデメリットと注意点

① 長期利用(数年以上)の場合は購入より割高になる
レンタル期間が2年、3年と長期にわたる常設目的の場合、累計のレンタル料金が本体の購入価格を上回ってしまう「損益分岐点」が存在します。おおむね1年半〜2年以上同じ場所に設置し続ける場合は、購入も視野に入れたシミュレーションが必要です。

② 繁忙期は希望の機種が手配できないことがある
大規模な災害発生直後や、建設ラッシュの時期、アウトドアイベントが集中する夏場などは、レンタル業者の在庫が枯渇することがあります。使用時期が決まっている場合は、数ヶ月前からの早期予約が必須です。

③ 返却時の原状回復費用や清掃費用が別途かかる場合がある
レンタル契約の規定によっては、返却時に著しい汚れやバイオチップの異常な劣化がある場合、クリーニング費用やチップ処分費用が別途請求されることがあります。契約時の規約確認が重要です。

4. 従来型の仮設トイレ(水洗・汲み取り)との徹底比較

なぜ今、バイオトイレへの置き換えが進んでいるのでしょうか。従来型の仮設トイレと具体的な項目で比較してみましょう。

4.1. 機能と特徴の比較表

比較項目バイオトイレ仮設水洗トイレ仮設汲み取り式トイレ
必要なインフラ電源(100V/200V/太陽光可)上下水道、または給水・汚水タンク不要
汲み取り作業不要(残渣の搬出は年1〜数回)不要(下水道直結の場合)必須(定期的なバキュームカー手配)
悪臭の有無ほぼ無臭(おがくずの木の香り)無臭〜微臭非常に強い悪臭が発生しやすい
水の使用完全不要(手洗い用の水のみ別途)大量に必要不要(洗浄液や消臭液を使用)
衛生面・害虫清潔(熱処理で病原菌・ハエの卵死滅)水洗のため清潔だが配管の詰まりリスクハエやウジ等の害虫が発生しやすい
設置場所の制限電源があれば山奥でも設置可能上下水道が必須(タンク式は運搬の手間)どこでも設置可能だがバキュームカーの進入路が必要
レンタル料金比較的高価普通最も安価

4.2. 汲み取り不要・水不要がもたらす革命的変化

汲み取り式トイレの最大の弱点は「バキュームカーによる定期的な回収が必須であること」です。山間部の工事現場や離島、あるいは災害で道路が寸断された地域では、バキュームカーが到達できません。結果としてトイレが溢れ返り、深刻な衛生問題を引き起こします。
バイオトイレは「水不要」「汲み取り不要」であるため、バキュームカーの進入経路を気にすることなく、ヘリコプターで吊り下げて山頂に設置することも可能です。この「場所を選ばない自立性」が最大の武器です。

4.3. 臭い問題・衛生面での圧倒的優位性

従来の汲み取り式トイレに特有のアンモニア臭や腐敗臭は、排泄物が空気に触れず嫌気性発酵(腐敗)を起こすために発生します。一方、バイオトイレは内部を60度前後まで加熱し、スクリューで空気を混ぜ込むため、好気性発酵が行われます。この過程で悪臭成分は分解され、トイレ内には「おがくずの木の香り」や「土のような匂い」しか漂いません。また、60度の熱により大腸菌などの病原菌や、ハエなどの害虫の卵も死滅するため、極めて衛生的な空間を維持できます。

5. バイオトイレのレンタル料金相場と内訳

バイオトイレのレンタル費用は、期間、処理能力(1日の対応人数)、電源タイプ(商用電源かソーラーか)によって大きく変動します。ここでは一般的な相場を解説します。

引用:バイオトイレナビ

5.1. 短期レンタル(イベント・短期工事)の費用相場

数日〜1ヶ月程度の短期レンタルの場合、基本料金が割高に設定される傾向があります。

  • 1日〜1週間:約50,000円 〜 150,000円
  • 1ヶ月間:約80,000円 〜 200,000円
    ※イベント用の小型(1日数十回処理)〜中型モデルを想定。

5.2. 長期レンタル(長期工事・常設)の費用相場

半年から数年単位でのレンタルの場合、1ヶ月あたりの単価は下がります。

  • 月額料金:約40,000円 〜 100,000円(※半年以上の契約時)
    国土交通省のNETISに登録されているような、建設現場向けの標準モデル(1日50〜100回使用可能)の場合、月額5万〜8万円程度がボリュームゾーンです。

5.3. 初期費用・設置費用・運搬費の内訳

レンタル料金本体以外にも、以下の初期費用が必ず発生します。見積もりを取る際は、これらが含まれているか確認しましょう。

  1. 往復運搬費:設置場所までの距離と、使用するトラック(ユニック車など)のサイズによります。数万円〜十数万円。
  2. 設置・撤去費:クレーンでの吊り降ろし、水平出し、初期セットアップの作業費。約2万〜5万円。
  3. 初期バイオチップ代:初回に投入するおがくずや微生物製剤の費用。約1万〜3万円。

5.4. ランニングコスト(電気代・メンテナンス費)

レンタル期間中に発生するランニングコストも考慮する必要があります。

  • 電気代:ヒーターによる加熱を行うため、保温性に優れた機種でも月に数千円〜1万5千円程度の電気代がかかります。(100Vで月額5,000円〜、200Vで月額10,000円〜程度)。ソーラーパネル搭載型の場合は電気代ゼロですが、レンタル料金が高くなります。
  • 追加チップ代:使用状況に応じて、数ヶ月に一度チップの補充が必要になります。1袋数千円程度です。

6. 活用シーン別:最適なバイオトイレの選び方とおすすめモデル

バイオトイレは設置される環境によって求められるスペックが異なります。シーン別の選び方を解説します。

6.1. 建設現場・土木工事現場(NETIS登録・快適トイレ)

【求められる要件】
建設現場では、職人の数に応じた処理能力と、過酷な環境に耐える堅牢性が求められます。また、国土交通省が推進する「快適トイレ(女性も使いやすい清潔な仮設トイレ)」の基準を満たすモデルや、「NETIS(新技術情報提供システム)」に登録されているモデルを選ぶことで、工事成績評定での加点対象となるメリットがあります。
【おすすめの仕様】

  • 電源:単相100Vまたは三相200V(現場の仮設電源を利用)
  • 処理能力:1日50回〜100回対応の中型モデル
  • 設備:洋式便座、手洗い器、鏡、荷物フック、LED照明完備のハウス型

6.2. 屋外イベント・野外フェス

【求められる要件】
数日間で不特定多数の人が集中的に使用するため、瞬間的な処理能力の高さと、混雑を緩和するための複数台設置が求められます。
【おすすめの仕様】

  • 処理能力:ピーク時に耐えられる大型槽モデル、または中型機の複数台レンタル。
  • 注意点:アルコールを摂取した来場者は尿の量が増えるため、カタログスペック上の「使用回数」を過信せず、余裕を持った台数を手配することが不可欠です。

6.3. キャンプ場・グランピング施設・国立公園

【求められる要件】
景観に馴染むデザイン性と、インフラ(電気・水道)が通っていない場所への設置能力が求められます。
【おすすめの仕様】

  • 電源:完全独立型の「ソーラーパネル+蓄電池」搭載モデル。
  • デザイン:ログハウス風や、木目調の外装を持つモデル。
  • 臭い対策:周辺の自然環境や利用者の快適性を損なわないよう、排気筒に強力な脱臭フィルターを備えたもの。

6.4. 災害時の避難所・BCP(事業継続計画)対策

【求められる要件】
停電時や断水時でも確実に稼働できること、そして車椅子ユーザーや高齢者でも使いやすいバリアフリー設計が求められます。
【おすすめの仕様】

  • 電源:ソーラーパネル駆動、または発電機との接続が容易なモデル。
  • 構造:スロープ付き、手すり付き、広い室内空間を持つ多目的トイレ型。企業がBCP対策として平時からレンタル・リース契約を結び、有事の際に即座に稼働できる体制を整えるケースが増えています。

6.5. 農業・農園・市民農園

【求められる要件】
農作業従事者のためのトイレ環境改善。生成された堆肥(残渣)を肥料として再利用できるかどうかもポイントになります。
【おすすめの仕様】

  • 小型で安価なモデル。手動で撹拌するハンドル式や、自転車のペダルを漕いで撹拌する無電源モデルなども選択肢に入ります。

7. バイオトイレの臭い問題の真実と対策

バイオトイレの導入にあたり、最も多い懸念が「本当に臭わないのか?」という点です。ここでは臭いに関する真実と対策を深掘りします。

7.1. なぜ「臭わない」のか?

前述の通り、バイオトイレは好気性発酵によって排泄物を分解します。適切な水分量(約50〜60%)と十分な酸素(撹拌)、そして適切な温度(40〜60度)が保たれている限り、悪臭の原因となるアンモニアや硫化水素は発生しません。分解の過程で発生するガスは二酸化炭素と水蒸気が主であり、換気扇を通して屋外に排出されるため、室内は常に快適に保たれます。

7.2. 悪臭が発生する原因(アンモニア臭・腐敗臭)

「バイオトイレが臭い」というトラブルが起きる場合、その100%は「正しい使用環境が守られていないことによる微生物の死滅・活動停止」が原因です。

  • 水分過多(オーバーフロー):1日の上限回数を超えて使用し続けた結果、処理槽内が泥水状態になり、酸素が供給されなくなって「嫌気性発酵(腐敗)」が始まるケース。
  • 電源の喪失:ブレーカーが落ちたことに気付かず、ヒーターによる加熱とスクリューの撹拌が止まってしまったケース。
  • 異物の混入:タバコの吸い殻、生理用品、ビニール、大量の化学薬品(強い洗剤や抗生物質)が投入され、バクテリアが死滅してしまったケース。

7.3. 臭いを防ぐための正しい使い方と対策

レンタル期間中、臭いを発生させないためには以下のルールを徹底することが重要です。

  1. 使用回数の厳守:工事現場などでは、朝礼時に「バイオトイレの適正使用」について周知徹底する。
  2. 小便器の併用:男性の小用が多い現場では、水分過多を防ぐために「仮設の小便器(タンク式)」を併用し、バイオトイレへの水分流入を意図的に減らす運用が非常に効果的です。
  3. 定期的な目視確認:1日に1回は便器のフラッパーを開け、中のおがくずが「サラサラ・フカフカ」の状態か、「ベチャベチャ」していないかを確認する。

8. レンタル時の設置条件・必要な設備・法律

バイオトイレを安全かつ合法的に設置・運用するための条件を確認しましょう。

8.1. 電源の確保(100V・200V・ソーラーパネル)

ヒーターによる水分の蒸発と撹拌モーターの駆動には大きな電力が必要です。

  • 単相100V:一般的な家庭用コンセント。小型〜中型機で使用。延長コードを使用する場合は、電圧降下(コードが長すぎると電力が弱まる現象)に注意が必要で、太いケーブル(2.0スケア以上)を使用します。
  • 三相200V(動力):大型機や、寒冷地仕様の強力なヒーターを搭載したモデルで使用。建設現場では仮設電源盤から直接引きます。
  • ソーラーパネル:無電源地域向け。ただし、日照条件に大きく左右されるため、梅雨時などは補助発電機が必要になる場合があります。

8.2. 設置場所の基礎と水平出し

バイオトイレ本体は数百キログラム、使用中の処理槽は水分を含んでさらに重くなります。柔らかい土の上などに直接設置すると、雨で地盤が緩んで傾く危険性があります。

  • 鉄板(敷鉄板)やコンクリート土間、コンパネなどを敷いて地盤を固める。
  • 設置時に水平器を用いて、四隅のジャッキベース等で完璧に水平を出す。(傾いていると内部のスクリューに偏った負荷がかかり、故障の原因になります)

8.3. 換気設備と雨水対策

分解時に発生する大量の水蒸気を排出するため、排気パイプの設置が不可欠です。

  • 排気口の周り(半径数メートル)に障害物がない場所に設置する。
  • 排気パイプの先端に雨よけのキャップが付いているか確認し、大雨や台風時に雨水が処理槽内に逆流しないよう設置する。

8.4. 関連する法律・条例(建築基準法・浄化槽法との関係)

レンタルによる一時的な設置(仮設)の場合、通常は建築基準法の「建築物」には該当せず、確認申請は不要なケースがほとんどです。また、下水道や川に汚水を放流しないため、浄化槽法の規制対象外となるのが一般的です。
しかし、国立公園内や河川敷、または「常設(数年以上)」として設置する場合は、自治体の景観条例や建築指導課の見解により、何らかの申請や届け出が必要になる場合があります。レンタル業者や管轄の役所に事前に相談することをおすすめします。

9. 冬場・寒冷地でのバイオトイレレンタル時の注意点

北海道や東北地方、標高の高い山間部で冬季にレンタルする場合、特有のリスクと対策が存在します。

9.1. 温度低下による微生物の活動低下

好気性バクテリアが最も活発に働く温度は40度〜60度です。外気温が氷点下になるような環境では、通常のヒーターだけでは処理槽内の温度を維持できず、分解能力が極端に低下(あるいは休眠状態に)します。

9.2. 凍結問題とヒーター・断熱材の活用

寒冷地でレンタルする場合は、必ず「寒冷地仕様」のモデルをオーダーする必要があります。

  • 断熱材の強化:処理槽の周囲が分厚いウレタン等の断熱材で覆われているモデル。
  • 大容量ヒーター:通常よりW(ワット)数の大きいヒーターを搭載。
  • 便座ヒーターの完備:利用者の快適性のため、暖房便座は必須です。

9.3. 冬季特有のメンテナンス方法

冬場は外気と処理槽内の温度差が激しくなるため、排気パイプ内で結露が発生しやすくなります。結露した水がパイプを伝って処理槽内に戻ってしまうと、水分過多の原因になります。排気パイプに断熱材を巻く、結露水を受け止めるトラップを設置するなどの対策が必要です。

10. バイオトイレのメンテナンスとお手入れ方法(レンタル期間中)

「メンテナンスフリー」と誤解されがちですが、バイオトイレを正常に稼働させるためには、利用者側での日々のお手入れが欠かせません。

10.1. 日常的なお手入れ(ユーザー側で行うこと)

  • 便器周辺の清掃:通常のトイレと同様、便座や床を拭き掃除します。この際、大量の水を便器(処理槽)に流し込むような水洗いは厳禁です。固く絞った雑巾や、アルコールスプレーを使用した拭き掃除に留めてください。
  • 目視チェック:おがくずの湿り気具合の確認、撹拌スクリューから異音がしていないかの確認。
  • トイレットペーパーの補充:水溶性のトイレットペーパーを使用してください。ティッシュペーパーは分解に時間がかかるため使用不可です。

10.2. 定期的なメンテナンス(業者側・ユーザー側の分担)

  • 撹拌の補助:処理槽の隅の方に分解されにくいペーパーの塊などが溜まることがあります。週に1回程度、専用の棒やスコップで隅の方のチップを中央に寄せる作業を行うと、分解効率が格段に上がります。
  • 業者による点検:長期レンタルの場合、数ヶ月に一度、レンタル業者のスタッフが訪問し、機械の動作チェックやチップの状態確認(水分計での測定など)を行うプランが含まれていることが一般的です。

10.3. バイオチップ(おがくず)の交換時期と方法

適正に使用していても、バイオチップは徐々に分解されて目減りしたり、塩分(尿由来)が蓄積して微生物の活動が鈍ったりします。

  • 補充:チップのカサが減ってきたら、指定の新しいチップを上から追加投入します。
  • 全交換(入れ替え):通常、半年に1回〜1年に1回程度、内部のチップを全量取り出し、新しいものに入れ替えます。古いチップ(残渣)は、無菌化された良質な有機堆肥として農業や園芸に再利用できるほか、一般ゴミ(可燃ゴミ)として処分できる場合がほとんどです。(※自治体のルールに従ってください。またレンタル契約上、業者が引き取るケースもあります)。

11. 補助金・助成金を活用してお得にレンタルする方法

バイオトイレは環境保全や労働環境改善に直結する設備であるため、国や自治体の補助金・助成金の対象となるケースが多くあります。これを活用することで、レンタル費用を大幅に圧縮できます。

11.1. 国土交通省・環境省の関連補助金

  • 環境保全関連の補助金:国立公園や自然公園、水源保全地域などにおいて、水質汚濁を防ぐ目的で環境配慮型トイレ(バイオトイレ)を導入・レンタルする場合、環境省系の補助金が適用されることがあります。
  • NETIS関連のインセンティブ:直接的な現金補助ではありませんが、公共工事においてNETIS登録のバイオトイレを導入すると、工事成績評定での加点対象となり、次回の入札で有利になるという強力な間接的メリット(実質的な利益)があります。

11.2. 厚生労働省(職場環境改善・人材確保等支援助成金)

建設業や農業などにおいて、女性の活躍推進や労働者の職場環境改善(快適なトイレの設置)を目的とした助成金制度が存在します。

  • 働き方改革推進支援助成金など:劣悪な仮設トイレを最新のバイオトイレ(女性専用トイレとしての設置など)に置き換えることで、設備のレンタル費用やリース費用の一部が助成されるケースがあります。事前に労働局への計画書の提出が必要です。

11.3. 自治体独自の補助金制度の探し方

各都道府県や市区町村が、山小屋、市民農園、観光地の環境整備を目的として独自の補助金制度を設けていることがあります。
「〇〇市 環境配慮型トイレ 補助金」「〇〇県 観光地トイレ 助成」などで検索するほか、レンタル業者の担当者に「この地域で使える補助金制度に詳しいか」を聞いてみるのが最も確実で迅速な方法です。

12. 失敗しない!バイオトイレレンタル業者の選び方

バイオトイレのレンタルを成功させるためには、機種の性能だけでなく「どの業者から借りるか」が極めて重要です。以下の4つのポイントをチェックしましょう。

12.1. サポート体制と緊急時の対応スピード

バイオトイレは「生き物(バクテリア)」を扱う機械です。万が一、悪臭が発生したりスクリューが故障したりした場合、放置すれば現場の環境は最悪になります。「電話一本で即日〜翌日には技術者が駆けつけてくれるか」「代替機への交換対応は可能か」というサポート体制の充実度を確認してください。

12.2. 料金体系の透明性(追加費用の有無)

悪質な業者や説明不足の業者の場合、一見するとレンタル月額が非常に安く見えても、後から「初期チップ代」「高額な搬入出費」「返却時のチップ処分費・清掃費」「保険料」などが追加で請求され、トータルコストが跳ね上がることがあります。必ず「設置から撤去までの総額見積もり」を出してもらいましょう。

12.3. 取扱い機種の豊富さと提案力

現場の人数、電源の有無、設置期間などを伝えた際に、最適な機種(サイズ、処理方式)を提案してくれる業者が信頼できます。「とにかくこれしかありません」とオーバースペックな大型機を押し付けてきたり、逆に人数に合わない小型機を提案してきたりする業者には注意が必要です。

12.4. 全国対応か地域密着型か

全国規模の建設会社であれば、全国どこでも均一のサービスを提供できる大手レンタル業者が適しています。一方、特定の地域でのイベントや農業利用であれば、何かあった際にすぐに飛んできてくれる地元の仮設トイレ業者・設備業者が安心です。

13. バイオトイレ導入事例(レンタル活用ケーススタディ)

実際にどのようなシーンでレンタルが活用され、どのような効果を生んでいるのか、具体的なケーススタディをご紹介します。

13.1. 【事例1】山間部の無電源トンネル工事現場

  • 課題:上下水道はもちろん、電気も通っていない山奥の現場。バキュームカーも片道2時間かかり、頻繁な汲み取り手配が困難でコストも莫大。
  • 解決策:ソーラーパネル完全独立型のバイオトイレを長期レンタル。
  • 効果:汲み取り費用がゼロになり、運用コストが激減。さらに「臭くない清潔なトイレ」が設置されたことで、過酷な現場で働く作業員のストレスが大幅に軽減され、士気向上に繋がった。

13.2. 【事例2】3日間の大規模野外音楽フェス

  • 課題:過去の開催で、汲み取り式仮設トイレの悪臭と不衛生さに対する来場者からのクレームが殺到。SNSで悪評が立ってしまった。
  • 解決策:メインステージ横のVIPエリアおよび女性専用エリアに、中型バイオトイレを計10台短期レンタル。
  • 効果:真夏の開催にもかかわらず悪臭が一切発生せず。アンケートでは「トイレが綺麗で感動した」「木の香りがしてリラックスできた」と大絶賛され、イベントのブランド価値向上に大きく貢献した。

13.3. 【事例3】国立公園内の環境配慮型キャンプ場

  • 課題:自然保護の観点から、地下浸透式や浄化槽の設置が条例で厳しく制限されているエリアでの新規キャンプ場開発。
  • 解決策:ログハウス調の外観を持つバイオトイレを、ハイシーズン(春〜秋)の半年間のみレンタル契約。
  • 効果:土壌や河川を一切汚染しないため、行政の許可をスムーズに取得。オフシーズンは返却するため、雪による倒壊リスクやメンテナンスの手間を完全に排除できた。

14. SDGsとバイオトイレ:環境に優しい選択の重要性

現代の企業活動において、SDGs(持続可能な開発目標)への貢献は避けて通れません。バイオトイレのレンタル導入は、複数のSDGsゴールに直結する非常に有意義な取り組みです。

14.1. ゴール6「安全な水とトイレを世界中に」

バイオトイレは貴重な水資源を一切使用しません。また、汚水として自然界に排出しないため、地下水や河川の水質汚染を完全に防ぐことができます。水資源の保護と安全な衛生環境の提供を同時に実現します。

14.2. ゴール11「住み続けられるまちづくりを」

災害大国である日本において、地震や水害によるインフラ(上下水道)の寸断は致命的な問題です。自立分散型で機能するバイオトイレを平時から防災拠点にレンタル設置・確保しておくことは、レジリエンス(回復力)の高いまちづくりに直結します。

14.3. 企業価値(ESG評価)の向上に繋がる理由

建設現場やイベント運営において、「コストは少し上がっても、環境と人に優しいバイオトイレを選択する」という姿勢は、発注者や投資家からのESG(環境・社会・ガバナンス)評価を高めます。企業としての社会的責任(CSR)を果たす具体的なアクションとして、対外的なアピールポイントにもなります。

15. よくある質問(FAQ)

バイオトイレのレンタルに関して、皆様からよく寄せられる質問をまとめました。

女性が使用する際、生理用品を落としてしまったらどうなりますか?

バイオトイレの微生物は有機物(排泄物やトイレットペーパー)は分解しますが、プラスチックやビニール、化学繊維は分解できません。生理用品がスクリューに絡まると故障の原因になるため、絶対に落とさないよう注意し、備え付けのサニタリーボックスに廃棄してください。万が一落とした場合は、速やかに専用のトング等で回収する必要があります。

下痢の時や、嘔吐してしまった時でも分解されますか?

下痢や嘔吐物も有機物であるため、基本的には分解されます。ただし、水分量が急激に増えるため、連続して大量に投入されると処理能力を超える可能性があります。また、強い抗生物質を服用している人の排泄物が大量に入ると、バクテリアの活動が弱まる懸念が指摘されることもありますが、通常の利用範囲であれば問題ありません。

レンタル期間中にバイオチップから虫が発生することはありますか?

適切に60度前後で加熱・発酵されていれば、ハエの卵などは死滅するため虫は発生しません。しかし、電源が切れて温度が下がった状態で放置されたり、ドアを開けっぱなしにして虫が侵入したりすると、コバエなどが発生する可能性はゼロではありません。万が一発生した場合は、レンタル業者に相談し、環境に影響のない専用の殺虫剤等の処置を仰いでください。

音はうるさいですか?

スクリューが回転する際(1日数回、または使用後数分間など、機種による)にモーター音とチップが撹拌される音がします。一般的な家庭用洗濯機と同程度かそれ以下の音量ですが、深夜の静かなキャンプ場などでは多少気になる場合があります。排気ファンは24時間回っていますが、換気扇程度の非常に静かな音です。

使用する「おがくず」は、その辺の木材を削ったものでも代用できますか?

レンタル期間中は、絶対にレンタル業者が指定する専用のバイオチップ(おがくずやピートモス、微生物製剤がブレンドされたもの)を使用してください。建材の廃材から出たおがくずには防腐剤や接着剤が含まれていることがあり、これが混入すると微生物が全滅してしまいます。

バイオトイレの中でタバコを吸ってもいいですか?

厳禁です。タバコの吸い殻を処理槽に落とすと、ニコチンなどの成分がバクテリアに悪影響を与えます。また、乾燥したおがくずに引火する恐れがあり、火災の大事故につながる危険性が極めて高いため、トイレ内は完全禁煙とする必要があります。

16. まとめ:バイオトイレレンタルで快適なトイレ環境を実現しよう

いかがでしたでしょうか。バイオトイレのレンタルは、従来の汲み取り式仮設トイレが抱えていた「臭い」「汚い」「汲み取りの手間」という三重苦を一挙に解決する画期的なソリューションです。

特に、建設現場における労働環境の改善(快適トイレの導入)、自然豊かなキャンプ場やイベント会場での環境保全、そしていつ起こるか分からない災害時のBCP対策として、その価値は計り知れません。
もちろん、水洗トイレや汲み取り式トイレと比較すると、レンタル料金の初期コストや月額費用は高めに設定されています。また、微生物を扱うがゆえの「水分量の管理」や「日々の点検」といった特有のルールも存在します。

しかし、それを補って余りあるメリット——「悪臭ゼロの快適な空間」「バキュームカー手配の呪縛からの解放」「SDGsへの貢献による企業イメージの向上」——が、バイオトイレにはあります。
補助金や助成金を上手に活用し、信頼できるレンタル業者を見つけることで、コストの壁は十分に乗り越えることが可能です。

これから屋外でのプロジェクトやイベントを計画されている方、あるいは既存の仮設トイレの悪臭に頭を悩ませている方は、ぜひこの機会に「バイオトイレのレンタル」を検討してみてください。利用者の笑顔と、清潔で快適な環境が、そこには待っています。

参照/引用

環境省:環境技術実証事業広報資料
環境省:平成29年度自然地域トイレし尿処理技術分野実証試験結果報告書
環境省:平成25年度自然地域トイレし尿処理技術分野実証試験結果報告書
環境省:平成25年度自然地域トイレし尿処理技術分野実証試験結果報告書
環境省:平成24年度自然地域トイレし尿処理技術実証試験結果報告書
環境省:自然地域トイレし尿処理技術実証試験結果報告書
環境省:自然地域トイレし尿処理技術実証試験[経年実証試験]報告書
環境省:平成23年自然地域トイレし尿処理技術実証試験結果報告書
環境省:平成23年3月自然地域トイレし尿処理技術実証試験結果報告書
環境省:山岳トイレし尿処理技術実証試験結果報告書
環境省:2008年3月山岳トイレし尿処理技術実証試験結果報告書
環境省:平成20年8月山岳トイレし尿処理技術実証試験結果報告書
環境省:山岳トイレし尿処理技術 実証試験結果報告書:特定非営利活動法人 山のECHO
環境省:山岳トイレし尿処理技術実証試験結果報告書:特定非営利活動法人グラウンドワーク三島
環境省:山岳トイレ技術分野 実証試験結果報告書 有限会社山城器材

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